何で板橋区の問題を?
板橋区が設置した公衆喫煙所が問題になっています。板橋区は区役所に隣接する区有地に、空気清浄器付きの喫煙所を設置をしました。しかも、喫煙所は駅の出入口、診療所、薬局、子供向けの教室等の近くにあります。状況は異なるところはありますが千葉市も公衆喫煙所を設置しています。今後も喫煙所を増やしていく計画があるので、他の自治体の問題にも注目してみたいと思います。
受動喫煙以外の問題もありますが・・・
ネット記事や新聞記事を読んだところでは、設置場所の問題だけでなく、地域住民への説明方法や補助金の問題があります。また、もともと区役所の敷地内だったものを、屋外公衆喫煙所を作るためにわざわざ区役所の敷地から分割してしまったとの情報もあります。
受動喫煙を中心に考えてみます
一番の問題点は多くの人が通行する場所に喫煙所を設置したことにあるかと思います。ほとんどの方がよりによってなんでこの場所にと疑問を持つ箇所にもかかわらず、板橋区はここに喫煙所を設置してしまいました。
板橋区は何でここにおいてしまったのか?
喫煙所設置に関する説明会の動画を拝見しましたが、次の理由が考えられます。
2 目的が喫煙所の設置だった。
1については、受動喫煙に対して関心がなく、適当においてしまったのかと思います。少しでも関心があればここに置くのはまずいよなと思います。区役所の職員でこの場所に喫煙所を置いたら問題になるのではと考えることができなかったのでしょうか。
2については、2019年7月1日からは第一種施設において建物内を含む敷地内禁煙が施行されることから、区役所敷地内の喫煙所を撤去しなくてはならなくなり、どうしようもなくなって喫煙所をどこかに設置しなくてはと考えてしまったのかと思われます。要は目的は受動喫煙を防止するでなく、喫煙所を作るになってしまった。
法律の趣旨を考えると目的は受動喫煙防止
目的は受動喫煙防止です。であれば、喫煙所はなくすか、他の人の迷惑にならない場所を選定する必要があります。今回の喫煙所の位置は他の人の迷惑にならないでしょうか?ということをまずは考えてみてはどうかと思います。もし、そのように行動をしていれば、今回のような場所に喫煙所を作る前に考え直すことができたのかもしれません。
コンテナ型の喫煙所で受動喫煙は防げるのか?
説明会の動画を拝見すると、区の職員のかたもコンテナ型の喫煙所ではたばこの煙の成分のほとんどを除去することができず、受動喫煙を防止できないことを認識しておられるようです。ここまで結論が出ているのであれば、駅の出入口や医療施設などの近辺に喫煙所を設置してよいのか判断ができるはずです。それでも受動喫煙の影響がないと判断されるのであれば、たばこの煙に含まれる有害物質を特定し、それがどのくらい除去できれば健康に影響がないかを説明する必要が出てきます。ただ、そのようなことは現実的に難しいことかと思います。
法律も大切かと思いますが
法律も大切かと思いますが、それ以上に板橋区としてどうやったら受動喫煙を防ぐことができるかを考えて行動することが重要になると思います。このブログでも思いやり駐車場や障害者等用駐車スペースに喫煙所を設置しても良いかと問いかけたことがあります。法律上は問題はないのでしょう。ただ、思いやり駐車場を利用する体の不自由な方や妊娠されている女性がいても喫煙ができますから、本来守らなければならない人が受動喫煙にあう状況となっています。また、公民館のような第二種施設は喫煙所を設置することが法律上では可能です。たとえ子供が公民館を利用していたとしても喫煙所を設置できますので、子供が目の前にいても自由に喫煙をできるような施設となっております。これが良い状況であるかどうかは人によって判断が分かれるかも知れませんが、多くの人は良い状態とは思わないことを期待したいと思います。
板橋区についてはもう少し経過を見ていきたいと思います。
千葉市には「路上喫煙等・ポイ捨て取締り地区」があります。ただし、こちらは受動喫煙防止のためでなく、景観の向上を図ったものです。千葉市はJTと協力し、JR海浜幕張駅高架下喫煙所を実験的に設置し、効果があれば他の地区にも喫煙所を設置しようとしています。問題なのは、受動喫煙については一切考慮されておらず、実証実験については何が成功で何が失敗なのかも示されていません。このままだと板橋区と同様に人通りの多い場所や子供が通行する場所に喫煙所を設置されてしまう恐れがあります。千葉市はもしかしたらだめかも知れませんが板橋区は受動喫煙の防止に取組んでいただければと思います。